ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

社区の「組」

昭和20年7月-社区内の組(町名と戸数)一覧 私が町内会長になったときのこと、年輩の方からよく「組長さん」と呼ばれました。ヤクザや小学校の組代表でもあるまいし、なんで「組長」かなと思っていました。 この組長という呼び名は、このブログでも紹介…

昭和20年7月-敗戦直前の社区常会

7月の常会徹底事項 昭和20年(1945)7月、敗戦の直前に開かれた社区の常会の議案があります。そこで伝えられた「徹底事項」を見ると、服装や食事はもちろん、空襲への対策、さらに敵機の宣伝ビラへの対応など当時の切迫した雰囲気が伝わってきます。…

昭和13年-隣保組織の強化②

-つづき- さて、「隣保」にはどのような役割があったのでしょうか。 ○隣保組織の職能と運営 ・隣保には世話係を置く。 ・共同で実践すること 吉凶慶事の援助 生活改善 教育並びに教化 経済更正 自治行政の幇助 衛生 選挙粛正 国民精神総動員 納税 ○組 組は…

昭和13年-隣保組織の強化①

国民精神総動員の徹底のために隣保組織の強化を図る 私達は地域生活を営むなかで、「隣保」(りんぽ)という身近な隣近所の集団による協同生活のあり方になじんでいます。 この「隣保」について、戦前の昭和13年(1938)の社区の区長会で協議されてい…

国民義勇戦闘隊

昭和20年8月の社区常会で協議 昭和20年8月といえば終戦である。その直前に開かれた常会での協議事項の一つに「国民義勇戦闘隊の編成」の件があった。7月26日にはポツダム宣言が発表されたが、政府はこれを黙殺している。8月6日には広島に、9日に…

昭和20年8月の社区常会②

-続き- ○乳幼児の体力検査 7日、11日に実施の予定のようです。「幼児国家管理」という文言がメモしてあります。 ○闇取引取調べ 郡界等で特に警備を行う。 ○野荒らし 「厳戒。密告するもよし。必ず自白させること」とあります。 ○無電灯家屋報告 至急。 …

昭和20年8月の社区常会-①

敗戦直前の社でどんなことが話し合われていたか 昭和20年8月15日、大東亜戦争は終わりました。その8月の社区の常会ではどのようなことがらが協議されたのでしょうか。当時の地方のようすを知るうえで貴重な資料だといえます。 会議メモをもとに主な項…

占領-武器の提出

進駐軍の命により・・・ 昭和20年(1945)、敗戦の年の末、進駐軍(占領軍)から民間人の所持する武器を提出せよとの指令が出され、社に於いても社区区長から各組長に伝えられた。 約60年前、敗戦そして占領という時代、私達のふるさとではどんなこ…

御嶽山清水寺全焼

今から93年前の大正2年(1913)8月2日、御嶽山に起こった山火事のために清水寺の諸堂伽藍が全焼しました。煙は数十里離れたところからも見えたと伝えられています。 さて、8月5日付の神戸又新日報に「損害92万円全焼せる霊場清水寺」と題した記…

社の電気事業のはじまり

明治45年の新聞記事から 明治45年(1912)4月4日、社の佐保座(社劇場)に於いて、東播電気株式会社の開業式が盛大に挙行されたことが報じられています。(「神戸新聞」4月6日付) この東播電気株式会社の開業によって、社に電灯が灯ったのです…

警報-鐘で危険を知らせる

昭和12年の「消防打鐘信号」 火事や洪水などの危険をどのようにして地域住民に知らせるか。今はサイレンや放送などで緊急事態を伝えていますが、それ以前は鐘を打ち鳴らして知らせていました。 旧社町役場の一画には、火の見櫓(半鐘とよんでいました)が…

昭和12年の「学芸会」

社尋常高等小学校の学芸会 昭和12年(1937)3月12日、社尋常高等小学校の講堂で学芸会が開かれました。「学芸会」という名は今ではもう聞かなくなりましたね。○○学習発表会、○○フェスティバル、文化祭などの名に変わっているようです。 ここに約7…

昭和12年末、「無言の凱旋」

無言の凱旋 昭和12年(1937)の末、中国戦線で戦死した社町山国出身の兵隊さんの町葬が執り行われました。その町葬の執行についての資料がありますのでみてみたいと思います。 私達戦後世代の人間は、歴史教科書などで戦時中の国民生活について、出征…

佐保神社-本宮

10月15日(日)、澄み渡った秋の高い空にすじ雲が浮かぶ。午後一時、町内巡行をおえて門前に集結した屋台の宮入りが始まった。 神輿に続いて、新町、上中、東古瀬、上組、下組の順に屋台が境内を練る。その勇壮な姿に人々は心躍らせ拍手を送る。祭りは最…

佐保神社-宵宮

電飾の上組屋台 佐保神社の宵宮。境内では芸能大会が開かれ、身動きできないほどの人出。門前には、社の上組、下組の二基の屋台が繰り出した。写真は電飾の上組太鼓屋台。 今日は本宮。朝から市街地に太鼓屋台が繰り出し、巡行します。例年の上組、下組、上…

太鼓屋台の披露

上組の太鼓屋台 10月13日の夜、上組太鼓屋台蔵の前には、多くの人が訪れ、絢爛豪華に飾り付けられた屋台をながめて楽しみました。太鼓屋台蔵の新築に続いて、今年は担ぎ棒、四本柱、台などを新調したので、宵宮の前に地域の人々に一足早くお披露目をしよ…

佐保神社秋祭-上組太鼓屋台-

屋台の飾りも仕上げ 14日の宵宮、15日の本宮をひかえた12日夜、上組の太鼓屋台藏では、若鯱会のメンバーが最後の飾り付けに余念がない。乗り子の子どもたちの太鼓を打つ音も力強さが出てきて、二人組のいきもピッタリ。 水引(幕)が広げられ、豪華な…

神姫バス社営業所

社の玄関 この写真は昭和40年代前半の頃の神姫バス社営業所とバスの写真です。現在は建物、車庫が道路の西側に移転し、三ノ宮方面ののりばだけが残っています。 この営業所から、明石方面へは約15分毎、神戸三ノ宮へは約30分、姫路、三田の各方面へは…

南朝忠臣、赤松氏範の墓

鎧武者のたのみ 小学生時代に、「お話を聞く会」がありました。木造校舎の二階の講堂で聞きましたが、その話はこんな内容だったと思います。 山の麓の小さな村の一軒の家。雨の夜、はやく布団にもぐりこんで寝ていると、庭の方から、雨音に混じってガシャガ…

昭和6年の水泳心得

水泳についての心得 一 学校通ひの途中には絶対に水にはいらぬこと。 二 父母のお許しを受けた時に限っていってもよろしい。 ○かくれたり ぬけ出して いってはなりませぬ。 ○汗の出ぬやうな 日にはいってはなりませぬ。 三 いく場合には次のことがらを必ず守…

上田の大芋神社について

櫛石窓神社に行ってきました 大芋神社の祭神(祀られている神)は、天照大神、豊磐窓命、櫛磐窓命の三柱で、大歳神も合祀されています。境内には、佐保大明神、熊野権現の小宮もあります。 大芋神社の石造鳥居は社町指定文化財(昭和44年指定)、県指定重…

鎮守の杜で伝統の継承

加東市上田の大芋神社の秋祭り 10月8日朝、上田の大芋神社の境内には透明な秋の朝日が差していました。そして、澄み切った青空に、鎮守の杜の木々の緑が映えています。幟がはためき、清められた相撲場がこしらえてありました。 境内には社殿、拝殿、随神…

国体アーチェリーの開会式

虹の開会式と宮様奉迎 のじぎく兵庫国体のアーチェリーの開会式が加東市滝野総合グランドで開かれました。小雨模様で西風も強く吹く生憎の天気でしたが、時折り太陽がのぞくために北西の空に虹がかかります。虹の七色はアーチェリーの的に描かれた的の色の輪…

運動会の思い出

木造校舎と全校ダンス・・・ この写真は、昭和30年代後半の社小学校の運動会のものです。 まだ、木造校舎があった時代で、正面に見えるのは、本館の東側(運動場側)です。一階は普通教室、二階は作法室(和室)になっていたと思います。左の建物は理科室…

大正14年の屋台太鼓差出許可

80年前の許可書 今年の佐保神社の秋祭りは、のじぎく国体開催の影響で、例年より二週間遅く、14日、15日に行われます。元々佐保神社の例祭は10月15日、16日だったので、今年は本来の姿に近い日に戻ったといってもよいでしょう。 ところで、秋祭…

千鳥川で泳いでいた頃

昭和30年代の夏の水泳 この写真は昭和30年代半ばの水泳風景です。夏休みになると、子どもの楽しみは水泳と蝉取りでした。今のように学校にプールがなかった時代です。地区水泳は近くの川に行っていました。 社三区は千鳥川の新宮神社(現在、桜堤公園のあ…

昭和5年の国勢調査

国勢調査宣伝音頭 ここに昭和5年(1930)に実施された国勢調査に関する資料があります。その中に、ガリ版印刷された「国勢調査宣伝音頭」がありました。 去年実施された国勢調査ではプライバシーの保護などの点から調査用紙への記入や回収をめぐってさ…

上組太鼓の練習

子どもが伝統を承け継いで 10月になり、夜は肌寒さを感じるようになった。上組の太鼓藏をのぞいてみると、藏の前で乗り子の小学生の男の子たちが太鼓の練習をしていた。 指導にあたっているのは保存会の若い衆の2人。つきっきりでバチの持ち方、打ちおろ…

官公庁のまち-社

昭和20年代半ばに社にあった官公庁 社は昔から「官公庁のまち」として知られてきました。今も兵庫県北播磨県民局をはじめ県の出先機関が社総合庁舎に集中しています。また、兵庫教育大学をはじめ、嬉野台生涯教育センターや教育研修所などの県の教育機関、…

滝野の春日神社の秋祭り

上滝野の屋台太鼓 10月1日(日)、滝野の春日神社の秋祭りに行ってきました。毎年、社の佐保神社の秋祭りと同じ日にあるために行けなかったのですが、今年はのじぎく国体をはさんで春日神社の祭りが先に、そして佐保神社があとになったために行くことがで…