ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

父のブックから-1928年(昭和3)

 父の手帳大の創作ブックから、1928年9月21日の日付のある詩を紹介します。小さな文字でぎっしりと書き込まれたブックの一頁。父18歳の作です。



カフヱーの裏

カフヱーの裏で
洋食の腐りを
野良犬が食べてゐた

ただれた蒼白の顏の寢起の
ウヱターが犬を
追つた

犬はなぐられるのが恐くて
二、三歩後寄つたが
じつと逃げず眺めてゐたー。

野良犬と、夜の人間の野良犬
であるウヱターとは
しばし洋食の腐りを
中央に、眺め合つてゐた。

一九二八・九・二一・