
今年の佐保神社の秋祭りは、2年半にわたる本殿保存修復工事の竣功を記念する祭りでした。例年の4台(新町、上中、社上組、社下組)の屋台に加えて、東古瀬地区の屋台が参加し、5台の屋台の宮入、一斉練りが行われました。
社には、上組、下組の2台の太鼓屋台がありますが、私の所属する上組の屋台は、この記念の秋祭りに合わせて、狭間(彫刻)の修理を行ってきました。その作業が完成し、見事な狭間を披露することができました。
狭間は、屋台の正面、後り、左右の4面に据えられており、それぞれ、違った構図になっています。前夜祭で、地域の皆さんに披露し、宵宮、本宮でその見事な彫刻を見ていただくことができました。
狭間には、神話や日本の歴史上の場面が彫られており、下から見上げると、絵画では味わえない立体的な構図、躍動感があり、見とれてしまします。正面は、「天岩戸の変」だそうです。松の枝と葉、その枝に立つ2人の人物(神?)が対峙しています。手に持つ杖、長い鼻、見開いた目、衣装の襞に至る細部まで生き生きとした動きが伝わってきます。彫師は花岡義一ということです。太鼓屋台彫刻について、詳しいことは分かりませんが、立派な彫刻だと聞いています。