ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

上組屋台の狭間③ー鎮西八郎為朝の豪弓

 今日は、佐保神社秋祭の社の上組太鼓屋台の4面の狭間(彫刻)のうち、東(正面から見て右)の狭間を紹介します。

 「鎮西八郎為朝の豪弓」の図柄で、彫り師は黒田正勝とあります。鎮西八郎為朝こと源為朝は、平安時代の終り、保元の乱の頃、豪弓で知られた武士です。彫刻では、弓を放った為朝が彫られています。左手には弓、右手は放ったばかりで開いた手、そして、的をにらむ鋭い目が彫られています。為朝の勇猛さ、戦の躍動感が伝わってくるようです。

 彫り師の黒田正勝の名は、社寺彫刻で一代、二代、三代と継がれ、知られています。太鼓屋台の彫刻も手掛けていますが、播州の太鼓彫刻はそう多くないとも聞いていますが、この狭間は貴重な作品ではないでしょうか。