
飛行機の潤滑油に
大東亜戦争開戦から1年余り、戦争が長引くなか物資不足が深刻になっていた昭和18年(1943)4月、大政翼賛会兵庫県支部・兵庫県翼賛壮年団の名で「愛国ヒマ献納運動-蓖麻(ヒマ)の作り方-播植強調期間、四月二十日-五月十日」と題したビラが配布されています。
「ヒマ」とは?ビラにはこう書いてあります。
蓖麻(ヒマ)の種子からとれる「ヒマシ油」は、飛行機、戦車の発動機のサシ油として絶対不可欠のもので、今、輸入が杜絶して、供給の道が絶たれている。これを吾々の手で献納しようといふのである。一粒の蓖麻子と雖も苟も無駄にすることがあつてはならぬ。
アフリカ原産のヒマを栽培して、その種子(蓖麻子)から油をとり、航空機等の潤滑油として使ったということでしょう。
翌19年4月にも社町長から各区長あてにヒマの種子配布の通知が出されており、ヒマ増産が呼び掛けられています。