ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

昭和5年-社小学校部落少年団実習地

 昭和5年(1930)の社区雑書綴に「部落少年団実習地の設置について」の文書が綴じられています。当時は農村は貧窮に苦しんでいた時代で、小学生も家に帰れば農作業をしていたと聞いていますが、この文書には、各部落ごとに実習田を設けて児童が農作物を栽培するという試みが行われていたことがわかります。
 今の八十歳代の方はこうした経験をお持ちなのだろうと思います。


部落少年団実習地の設置について
 昭和五年四月十一日  
        社尋常高等小学校

◎趣旨と標準概要

趣旨=本年の教育勅語下賜四十周年を祈念し、郷土に即したる教育の立場より部落少年団実習地を設置せしめ、労働の尊重、愛郷心、協同心の涵養をなし、併せて農村生活に於ける経済観念の養成に資せんとす

標準=1.部落少年団実習地は尋常小学校第三学年以上の児童の共同実習地として経営すべきものとす
   2.面積は凡そ一アール(一畝歩)を標準とし其の設定校章は幹部児童に於て為すものとす
   3.幹部児童は其の一ヶ年内に於ける作付順序を立案し教師の検閲を経て実施するものとす
   4.各部には必ず実習日誌を備付くるものとす
   5.一作を終れば其の収支調査を明確になし学校に報告するものとす
   6.収益の処分につきては協議により最も正当と思はる方法を講ずるものとす
   7.実習地には左の標識を建て其の所在を明かにするものとす

       ○○部落少年団実習地


◎経営上の諸注意

一 最初は面積を小にし自信を得て漸次拡張するもよし
   但し最大限度を決定するには左の点を考慮すること
 ・家業の手伝上大なる支障を来さない範囲
 ・日課の復習上大なる支障を来さない範囲
 ・勤労作業の度を過ごさない範囲

二 作業は能率増進、労費節約を旨とし、なるべく短時間に完了するやう力む
 ・徒らに回数の多きは不可
 ・徒らに長時間に亘るは不可

三 共同作業といつても毎回全員が集合する必要なし 次の点は寛大に取扱ふものとす
 ・身体上の故障ある場合
 ・止むを得ない家事用のある場合

四 学年の高下、年齢の長幼により作業の程度を考慮すること

五 新たな試みをなさんとする場合は必ず予め教師に協議すること
 ・種苗又肥料等仕入のため一時金銭を徴集せんとする場合
 ・特別の設備をなさんとする場合

六 幹部生徒は全経営に向かって十分手腕を発揮すべし
   但し其の考慮点を次の三項におくこと
 ・心の準備・・・軽挙を慎むこと
 ・統整・・・・・全員の一致をはかること
 ・覚悟・・・・・忍耐と寛恕の修養

部落少年団実習地設置状況

 設定    部      賃料
四月十八日 社部(東)  麦九升
〃 二一日 社部(中)  米一斗
〃 二二日 出水部    無料
〃 二三日 梶原部    二円 五月十二日無料トナル
〃 二三日 山国部(上) 無料
〃 二四日 野村部    無料
〃 二五日 鳥居部    無料
〃 二五日 家原部    無料
〃 二七日 松尾部    無料
〃 二九日 山国部(下) 無料
〃 二九日 野村部(小部野) 一斗五升
〃 二九日 田中部    無料
五月四日  家原部(赤岸)無料
〃 四日  上中部    一斗五升
〃 五日  喜田部    一斗八升
〃 八日  窪田部    無料
〃 一二日 社部(上)  交渉中
      貝原部    交渉中
      西垂水部   上級生(高等生)ナキタメ考慮中