ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

清水寺③-推古天皇創建の根本中堂


 加東市平木の御嶽山清水寺山号寺号の由来を「清水寺誌」によって紹介しましたが、今日は、清水寺の根本中堂の造営についての話を紹介します。

 推古天皇は仏教を深く信仰し、御嶽山清水寺が日本最初の観音霊場であることを聞き、勅願をもって金堂を造営されました。それが根本中堂です。今の根本中堂は大正6年に再建されたものです。この場所は、すでに紹介した「南無観世音菩薩」と刻まれた大石が出現した跡です。本尊は法道仙人による一刀三礼秘仏、十一面観世音菩薩で、開眼のときには、却って仙人を礼謝されたと伝えられる霊仏で、勅封され諸人の拝礼が禁じられたとあります。

 推古天皇の35年といえば、今から1380年余り前のことになります。聖徳太子が摂政として、仏教を広めたのも推古天皇の時代のことです。清水寺は歴史上何度も火災にあい、その度に再建されてきました。今の根本中堂も大正2年の全山大火で焼失し、同6年に再建されたものです。それにしても、仙人一刀三礼秘仏、生身の十一面観世音菩薩が仙人を礼謝されたという話はすごいですね。写真は根本中堂の絵葉書です。