
昨日紹介した加東市稲尾の虫送りの行事で、列の先頭を行ったのは「馬に乗ったさねもり(実盛)人形」でした。
細い縄で作られたさねもり人形は3年前に見たときよりも精緻というか、洗練されているように見えました。嶽の上に飾られており、私たちは下から仰ぐように人形を見上げることになりますが、松明や幟を従えて行列の先頭をいくさねもり人形は、その掛け声の如く、まさに上洛する斉藤実盛を彷彿とさせます。
写真は八幡神社の拝殿前に置かれたさねもり人形と幟です。斉藤実盛は平安時代末期の武将で、元は源氏、のちに平氏に従って戦いましたが、木曽義仲追討のために加賀の国で戦っている際に、実盛が乗った馬が田の稲の切り株につまづいて倒れたために討ち取られてしまったということです。
江戸時代になって田の害虫は実盛がその怨念で虫になったという言い伝えが広がり、虫送りの行事となったということです。12世紀末の武将の死を害虫駆除に結びつけて地域の行事として今も行うことができるのはやはり稲作が行われているからですね。