ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

朝光寺多宝塔と古瓦


 朝光寺(加東市畑)の国宝本堂の屋根葺き替え工事の公開のようすを紹介してきましたが、もう一つ紹介したい写真があります。それは境内の多宝塔とその前に積まれた本堂の丸瓦の写真です。本堂見学の順番を待っている間、多宝塔の前に野積みされた丸瓦を見ていました。
 ところで、この多宝塔は昭和56年に社町の指定文化財となっています。創建は本堂と同じ頃、すなわち文治年間(1185~89)と伝えられていますが、修理などの状況から江戸中期の様式を伝えているそうです。
中学の教師をしていた頃、朝光寺に写生大会に来たことがあります。生徒と一緒にこの多宝塔を写生したことを思い出します。また、ボーイスカウトでこの塔の下にあるつくばねの滝からロープで降りようとして滝壺に落ち、多宝塔の前でたき火をして衣服を乾かしたことも懐かしい思い出です。境内に国宝本堂、重文の鐘楼、そしてこの多宝塔があり、一度に見ることのできる寺は多くないと思います。