
加東市貝原。現在、国道372号の野村河高バイパスの工事が進められていますが、加古川を跨ぐ新橋、加東大橋の東詰から少し下った交差点に貝原薬師堂があります。
この薬師堂の境内にはムクの大木があり、このブログでも紹介しました。さらにけやきの大木もあり、小さな祠も祭られています。そのけやきの大木の根元に、まるでもたれかかるように2本の石柱があります。
一本は道標、もう一本は玉垣のようです。以前にも紹介しましたが、道標には「右 きよみづ」「左 □(志)ん町 たか郡」と刻んであります。また、「加東四国 第三十三番霊場」「文政七申四月立」「四国同行中」と各面に刻んであり、西国三十三ヶ所霊場の巡礼や加東四国八十八ヶ所巡礼に関係のある道標だったのでしょう。
文政七年ですから西暦1824年。今から188年前に立てられた古い道標です。第三十二番の鳥居の観音堂からこの薬師堂、加古川を渡って、次の三十四番の河高へと人々が巡礼の旅を続けたのでしょう。今は境内のケヤキの大木にもたれて休んでいますが、新しい道路ができて、古道のあったことを知らせるためにもう一度起きてほしいような気もします。