ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

91年の歴史を継ぎ、新時代の「酒米研究交流館」竣工

 

 

 25日(木)、加東市沢部にある兵庫県酒米試験地内に「酒米研究交流館」が竣工しました。 今年の2月5日に建築中の同施設を訪れた時には、県産木材の梁や柱がむき出しの状態で、屋根瓦も葺き始められたばかりでしたが、完成した建物は白壁の酒蔵風に仕上がっていました。
 今日は「酒米交流館」と名付けられた新施設1階の作業場で、金澤和夫副知事はじめ県幹部、県会議員、加東市、地元沢部地区、農協や蔵元ら関係者が出席し、盛大に竣工式が行われました。式典のようすは「百聞百見」(私の議員活動ブログ)に報告しています。
 この「酒米研究交流館」のある酒米試験地は、昭和3年(1928)に県が酒造米試験地として設置したもので、91年が経っています。元の作業倉庫は当時建てられたままのもので、老朽化に加え、昨年の台風で傷みがひどくなっていました。そこで、県では建て替えを行い、これまでの研究に加え、新たに研修や交流の機能を加え、創立当初から現在までオンリーワンの酒米研究機関として積み上げてきた91年の歴史と業績を承け継ぐ新たな拠点とすることになったものです。
 この試験地の初代主任だったのが、加東郡(現加東市高岡)出身の藤川禎治さんで、昭和11年の山田錦の誕生の中心的な役割を果たしたことで知られています。今日の式典には藤川さんのご遺族(娘さん)も出席されました。2階の資料室には、品種改良に心血を注いだ藤川さんの手書きのスケッチや「山田錦命名の貴重な資料も保存、展示されていました。1階の研修室には、山田錦を愛し特A地区の土壌分析の研究に情熱を注いだ本田商会の故本田武義氏寄贈の土壌見本も展示されていました。まさに山田錦主産地ならではの貴重な資料です。
 交流館は、木造2階建て。1階には広い作業倉庫や研修室、2階には研究室、資料室、事務室などが配置されています。7月には、駐車場も整備され、バス2台ぐらいは駐車できるようになるとのことでした。
 新交流館が、酒造米の研究、栽培方法の研修、酒造メーカーとの共同研究、県民や小中高大学生などの見学、研修など、兵庫県が誇る酒米生産について多くの人が訪れ、学ぶことができる、まさに酒米研究交流の館として、91年の歴史を承け継ぎ、新時代に国内外に向かって発信と交流の拠点となっていくことを期待します。