
「敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花」と詠んだ宣長。何十年もかけて『古事記伝』を書き上げたこと。漢意(からごころ)を離れて、日本の古典を読むといった姿勢に、若い頃から偉い人だというふうに思っていました。いずれはじっくりと古事記伝を読みたいなと思っていましたが、思っている間に年が過ぎてしまいました。師の賀茂真淵との一度の出会い、松阪の一夜やその書斎の鈴屋など、エピソードは歴史の授業で紹介もしてきましたが、そこまでで止まっています。
さて、歌は、三番まであります。相澤英次郎作歌。
一、すめらみくにの くにぶりを、文にとなへて 世の人の、大和心を そそりたる、きみがいさをぞ 仰がるる。
二、大和だましひ みがけよと、うたひあげたる 山ざくら、花にひかりを そへにける、君がこころぞ 仰がるる。
三、幾千代こめて 十かへりの、松阪城のいただきに、君がいさをの 面影を、とどめていまも 仰がるる、