ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

80年前の郷土の記憶ー「松根油採取の出役」の記録(再掲)

 先日、新聞に終戦80年の記憶の記事に、昭和20年に松根油を採った跡のある松の木の写真とその記憶を語る方の話が出ていました。そういえば、当時の社町(旧社小学校区域)の文書の中に、松根油採取の出役の記録があり、この歴史ブログで紹介したことを思い出しました。
 そこで、その投稿記事を再掲したいと思います。終戦直前の7月末のことです。

昭和20年-松根油採取出役証(2008年2月11日投稿)
 昭和20年(1945)、戦局がきびしくなると、石油燃料の欠乏を補うために松の木から採取した松根油が使われました。そして、これを採取するために各に勤労奉仕作業の人夫割当が行われました。このことは昨日紹介しましたが、今日は松根油製造工場が発行した出役証明書を紹介します。裏紙を使って印刷された小さな証明書には、次のように書かれています。

  出役証
 昭和二十年七月三十一日
加東郡瀧野町上瀧野
 社町加茂村瀧野町三農業会
   松根油製造工場

社町社部落会長 殿

本日貴ヨリノ出役者左ノ通リニ候
    出役者氏名  道具有無     割上貫数
17組  服部清次   ナシ      8 400
 〃   三輪文吉   〃       8 400
 2組  三木徳次   〃      20 100
16組  高橋留吉   〃      31 500
 〃   大橋太一郎  〃      14 600
12組  田中龍太郎  持      24 400
16組  村上雄二   ナシ     24 400
  以上七名            131 800

7月28日の出役証は紙も大きく、出役者の役割が書かれています。役割には、根運ビ、土掘リ、土運ビ、木運ビ、窰焚キがあったことが分かります。