ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

嬉野へのサイフォン跡から望む三草山

 

 23日(土)、秋晴れの下、東条から社に戻る途中、藤田地区を見下ろす嬉野台地のサイフォン跡に寄ってみました。ここは、昭和のはじめ、三草山麓に築かれた巨大灌漑ため池の昭和池から嬉野台地に水を送るサイフォンの吐口のある場所です。千鳥川の流れる谷を逆サイフォンで流れ、嬉野台地に水は駆け上がり、台地を潤し、さらに分岐で社、福田地区へと水が送られていたのです。その後、鴨川ダム(東条ダム)が完成し、嬉野台地には鴨川ダムからの水が送られてくるようになりました。廃線となった水路、サイフォンは撤去されましたが、そのサイフォンの水管が記念物として残され、吐口のところに展示してあります。
 ここから望む三草山はまた雄大です。遙かあの山麓の昭和池からの水がサイフォンでこの台地に贈られてきていたのです。目を閉じると、きらきらと光る水が吹き出して、今はない水路を流れていく音が聞こえてきました。