ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

尋常小学校の教科書中の人物について-偉人唱歌集附録解説より

 

 昨日紹介した大正5年刊の『大日本偉人唱歌集』の附録として、巻末に尋常小学校に取り挙げられている人物についての解説がありました。著者は愛媛県女子師範学校主事の平松折夫氏です。その解説から、数字的なものを紹介します。

 まず、尋常小学校教科書は修身、讀本、書方、算術、日本歴史、地理、理科、唱歌の8種45冊(※各科學年等により何巻もある)。これらに取り上げられている人物の総数は604名。そのうち、実在する人物は458名だそうです。神様や仮設的な人物(太郎や花子など)を抜いた数字です。

 さらに教科別でみてみると、最も人物が多く出ているのは歴史で300名余り。次は讀本の257名で、修身は125名、唱歌は42名となっています。地理には、桓武、後醍醐、神武の3天皇が、理科は0人になっています。

 同一人で各教科にわたって出てくる回数の多いのは、楠木正成で、算術、理科以外の教科に出てきます。一番多く出てくるのは、豊臣秀吉で15回、次は織田信長で14回、楠木正成で13回、明治天皇の12回、徳川家康11回と続いています。

以上のように、多くの偉人が各教科書に取り上げられていることがわかります。この唱歌集には、60名余りの人物が取り上げられていますが、女性は11人です。初めて見る名の女性もあり、興味が湧いてきます。