ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

二宮尊徳の歌-大正5年刊の大日本偉人唱歌集より

 

 元同僚から譲り受けた古い教科書類の中に、大正5年発行の『大日本偉人唱歌集』(教育音楽協会編纂、東京開発社刊)があります。その中に二宮尊徳の歌がありました。小学校の校門のそばに建てられている柴を担いで読書をしながら歩く二宮金次郎銅像は、今でも子供達を迎え、励ましています。

 その二宮尊徳の歌もあったんですねえ。44頁に楽譜が、45頁に歌詞が見開きになっています。音符が読めたらなあと思いながら、歌詞の方を読んでみました。1番から5番まであり、最後に尊徳の和歌が掲げられています。

一、怠りて業(わざ)をつとめず、一郷(ひとさと)は荒れにあれしを、治むべき使命を帯びて、身をわすれ心をくだく。

二、偽りを懲(こ)らしいましめ、直(すぐ)なるを称へはげまし、勤倹(きんけん)の力を説きて、夜も昼も倦(う)むこと知らず。

三、苦しとて天を恨(うら)まず、誹(そ)るとも人をとがめじ、わが徳の足らぬを思ひ、いやましに真心つくす。

四、人ごころ善きに移りて、各(おの)がじヽ業(わざ)にいそしみ、家ごとに春風ふきて、秋の田は金色(こがね)のみのり。

五、わが任務(つとめ)今は果しつ、嬉しさは何にたとえへむ、勤労のむくいはありて、たふときは至誠の力。

〇天つ日のめぐみ積みおく無尽蔵 鍬でほり出せ鎌でかりとれ 尊徳