ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

愛国足袋・運動靴の布型


 今日紹介するのは昭和16年(1941)に発行された「愛国足袋運動靴用布型」です(写真)。足袋と靴の裁縫用の布型が綴じられているものです。
 発行は昭和16年2月15日、発行所は東京栄養食糧研究所の家政経済技藝部となっています。真珠湾攻撃により大東亜戦争が勃発する約10ヶ月前のことです。
すでに大陸での戦争が長引き、物資が不足していた当時ですが、運動靴も縫っていたんですね。
 愛国運動靴の作り方の解説がありますので紹介します。

愛国運動靴作り方
(一)裁 方
この運動靴の裁縫は足袋裁縫を基礎として考案されたもので実物現図に依り布を裁断いたします。布は内側、外側を区別し間違へぬ様に裏、表、底を裁ちます。これは二重底になりますから外に一枚地下用厚地のもの又は、ゴム、縫ザシの布其他適当の布を利用下さい
(二)縫 方
最初に内側布と外側布の「ツ丶」を一分の縫代で縫ひます。次に甲合せ縫ひをいたします。之は足袋のやうに日本糸で四ツ縫ひ半返しにいたします。そして、「カ丶ト」の縫ひ合せをします。之も甲合せ縫ひの様に半返しにいたします
(三)底附調べ方
足袋は中表に調べましたがこれは外表に甲の「カ丶ト」の縫ひ目を中心の折目として底巾の「カ丶ト」の端から二分甲の折目を出して両側布を斜線に底の足巾線の縫代へ合して待針を打ちます
(四)底縫ひ
底縫ひも足袋の様に縫ひ初め二本糸でツマ先線まで甲も底も外表に縫ひツマ先線まで甲も底も外表に縫ひツマ先線内は足袋の「イセ」縫ひと同様に十二以上の「イセ」縫ひいたします。「カ丶ト」の所は深目にならぬ様に縫ひます。そして其縫ひ目を又二針目位に「マツリ」縫ひをいたします
(五)地下底附け
用意の地下底をなるべく丈夫な糸を用ひて外部に針目の出ない様に縫針を三角通し言ふ縫い方で取附けます


裁縫ができる方ならこの布型と解説を読めば愛国足袋、運動靴を縫うことができるわけですね。どなたか挑戦されませんか。