ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

陸軍の蚊追粉


 写真の筒状の紙袋は何でしょうか。これもここ2,3日続けて紹介している品と一緒に旧家の蔵から出てきたものの一つです。
 袋に印刷された文字を読んでみると、「陸軍蚊追粉」と書いてあります。紙袋の中には粉が入っていたんです。印刷されている内容を紹介します。

 陸軍蚊追粉
       大阪陸軍需品支廠

一、本剤ハ除虫菊粉デ人畜ニ無害デス
二、此ノ粉ハ任意ニ多量ノ煙ヲ出シテ一時ニ蚊群ヲ撃滅スルノガ特長デス
三、粉ヲ盛リ上ゲ其ノ中腹ヘ点火シテ下サイ、煙ヲ絶ヤサヌ様上ヘ粉ヲフリカケテ行ク事
四、万一燃エ難イ時ハ何カ適当ナ燃エ易イ物(紙屑枯葉等)ト一緒ニ燃ヤシテ下サイ
五、蚊群ノ大部分ガ退散シタ後ハ渦巻蚊取線香デ蚊群ノ再来ヲ防イデ下サイ
六、此ノ粉ハ此ノ侭デ駆虫粉トシテ「ノミ」「シラミ」南京虫等ノ虫除ケニモ使ヘマス
七、本剤ハ濡ラスト効力ガ減リ燃エ難クナリマスカラ成可ク濡ラサヌ様ニ注意シテ下サイ

昭和十九年二月                (帝国除虫菊株式会社納)


以上のように、この粉は燃やして煙を出して一気に蚊などを駆除するための物だったことが分かりました。昭和19年(1944)年製ですから65年前のものということになります。