昨日に続いて、明治26年発行の「日本修身書巻四」(尋常小学生徒用)から第十一課「学問」を紹介します。
萬づの事、學ばざれば、誠の志しありても、其の道を知らずして、正理を行ひ難し、殊に忠孝の二つに、志しはありとも、其の道を知らざれば、忠が不忠になり、孝も不孝になる、故に殊更忠孝の道をよく學び、其の法を知りて行ふべし
と説き、続いて、中江藤樹を挙げて理解を深めるようにされています。
中江藤樹は、十一歳の時、大學を讀みて、天子より庶人に至るまで、一に皆身を修むるを以て本とす、といふに至り、深く感心して、此の書幸に今にのこれり、聖人も學びて至ることを得べきなり、といひしが、それよりいよいよ書を讀み身を修めて、名高き人となりたり。人學ばざれば、道を知らず。
と教えています。実際の学習では、この課の文を朗読し、先生が文に添って解説をしたり、生徒に問いかけたりして、学問の大切さを説いたのだろうと思います。近江聖人とよばれた中江藤樹の名は、当時の子供ならどこかで聞いてしっていたのでしょうか。先日、JR湖西線を電車で走り、北陸方面に行きましたが、琵琶湖に面した高島市が中江藤樹の郷里の小川村のあったところです。一度訪れて見たいと思ったところです。