ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

社の消防用水


昭和8年-消防組からの請願

 昭和8年(1933)、社町消防組第一部の代表者三人の連名で、社区長宛に請願書が提出されています。
 請願の中身は、消防器具置場建設、警鐘台移転改築、用水池施設の3件からなっています。その一つの消防用水確保のための用水池の件を紹介しましょう。

 請願書によれば、10余年前に区の評議員会で用水池の設置を決議したが、未だに実行されないままになっており、このままでは消防の任務遂行に支障をきたすことになると再三要求してきた。
 しかし、実現せず、4年前に社の「三ツ池」(※道池のこと)の水を稲作灌漑以外の理由で絶対に水を落とさず、防火用水とすることを当局に要望し、当局も之を了解した。
 このことを社町民も喜んでいたのに、今年、「魚取り」の目的で減水した。これは消防組にとっても町民にとっても大きな不安をまねいた。
 この際、是非とも用水池の設置を願いたい。

という内容です。
「三ツ池」は社市街地、田町筋の東にあった池で「道池」のことです。この道池は昭和30年代はじめに埋め立てられ、環状線が設置されました。今では地名だけが残っています。「道池交差点」「道池町」(社三区の町内会)「道池商店街」など。
 「三ツ池」か「道池」か。以前、このブログでも取り上げましたが、お年寄りの中には「みついけ」とよぶ人もいます。